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妊娠後の口腔内!!
妊娠後の口腔内の変化について
★妊娠期は、つわりなどで口腔ケアが不十分になることや、生活・食習慣の変化さらに女性ホルモンは妊娠していない時にくらべ増加します。その影響で女性ホルモンを栄養源にしている歯周病菌が増え、歯肉の腫れや出血を起こします。出血が起こると血液成分を栄養源とする歯周病菌がさらに増加します。
妊娠期の口腔ケアはどのようにしたらいいのでしょうか?
★妊娠期はホルモンバランスの変化など生理的な変化に加え食べる回数が増えたり、つわりで気分が悪くお口の清掃が不十分になりがちになります。また、妊娠中は唾液の流れや分泌量が低下すると言われてます。唾液分泌量の変化は、口臭の増加、消化を助ける作用や自浄作用、pHの低下を招き、抗菌作用を低下させ、う蝕や歯肉炎の原因菌が増える環境になります。
★何か食べた後は必ず『磨く』習慣をきちんと守ることが大切です。もしも、気分が悪くて歯ブラシが使えない場合は、なるべく糖質の食べ物は控え、食後はしっかりお口をゆすぎましょう。
赤ちゃんがお腹にいる時から歯を強くする食べ物をとりましょう
★妊娠中や授乳中に母体の摂取する栄養は、赤ちゃんの歯の健康にも関与しています。赤ちゃんの歯を丈夫にするためにも、カルシウム・たんぱく質・リン・ビタミンA・C・Dなどの栄養素をバランス良く適量を食べることが大切です。ビタミンDは赤ちゃんの将来の骨量を高めるためにも重要です。
★赤ちゃんの歯の育成は妊娠初期の頃から始まります。歯の丈夫な元気な子どもに育てるには、妊娠中のお母さんの健康状態や栄養管理がとても大切なのです。妊娠は食習慣を改善する良い機会。妊娠前から健康な身体づくりを目指し、食事はバランス良く適量を食べることが大切です。
垂直(母子)感染
★生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯の菌は存在しません。では、それはいったいどこからやってくるのでしょうか?
★虫歯菌は唾液を介してお母さんをはじめ家族や保護者から赤ちゃんのお口に移ることがわかっています。食事のときのスプーンやお箸に付着した唾液を介して感染します。虫歯予防のスタートとして重要なのはこの時期までに、特に保護者のお口の中でいかに虫歯菌を減らすかにあります。
子どもの間食(^o^)
子どもの間食について
子どもは運動量が多い為、3度の食事だけではエネルギーが補えないので、おやつが必要になります。
1日の必要栄養摂取量は3歳で1500kcalくらい、おやつでは150~300kcalを補います。
間食でエネルギーを取りすぎる子どもには、食欲不振の子が多く糖分の摂取が多い子どもには食欲不振、疲れやすい、虫歯などが見られます。だらだら食べが偏食や主食にも影響し栄養バランスにも問題があるので注意しましょう。
歯にいい食品
- カルシウムを多く含む食品(さくらえび・あさりなど)
- たんぱく質を多く含む食品(豚肉・鶏肉・あじなど)
- カルシウムとたんぱく質を多く含む食品(牛乳・卵・豆腐など)
- 食物繊維を多く含む食品(ごぼう・納豆・プルーンなど)
- 虫歯になりにくい甘味料(キシリトール・ソルビトールなど)
【甘いジュースと甘いお菓子の組み合わせにするよりお茶と甘いお菓子のように組み合わせにも気をつけましょう!!】
フッ素のお話
フッ素の虫歯予防効果
フッ化物は、歯質を強化して虫歯になりにくい状態にします。
虫歯は歯に付く汚れの中の細菌が酸を出すことによって歯の表面が溶かされることによって生じます。
フッ化物は歯質が酸に溶けにくくなるように作用します。
虫歯になりかかった(カルシウムが溶け出すこと)歯に作用し、その部分にカルシウムなどが沈着して歯の表面を修復します。(再石灰化)
この修復はフッ素が歯の表面にたくさんあると唾液中のカルシウムなどを取り込む作用が働き、再石灰化が進行します。また再石灰化が進行するので脱灰するのが抑制されます。
食事をするたびに脱灰はおこります。
図1のように3度の食事と1回の間食をする決まり良い食生活では、トータルでの脱灰の時間が少なく、再石灰化の時間は長くなるため虫歯の危険は少なくなります。
図2のような間食の多い生活では再石灰化の時間が少ないので虫歯の危険が増加します。
寝る前の飲食は最も危険です。寝ている間は唾液の分泌が低下するので再石灰化の力がうまく働かないためです。
脱灰と再石灰化
お口の中の状態を表しているグラフです。
(1)のところで、飲食しています。すると、ほとんどの食品は酸性なのでPhが急速に下がってしまいます。
(2)は飲食2分後です。Ph4近くまで下がっています。
これは「臨界Ph」(歯の中にカルシウムがとどまっていられるギリギリのPh)より低いので、歯の中からカルシウムやリンが溶け出している状態です。
(3)になると口の中のPhは、「臨界Ph」より高くなります。これは、歯の中にカルシウムやリンが戻っている状態です。
フッ化物の利用
- フッ化物洗
- フッ化物洗口
たかやま歯科では家でもできる予防法としてフッ化物洗口をしています。
簡便で費用が安く萌出直後の歯に比較的高い効果が得られることから虫歯予防対策として有効な方法です。
第一大臼歯萌出時期である就学前から第二大臼歯萌出時期である中学時代まで継続するのが確かな予防効果につながります。 - 歯面塗布s
- 比較的高濃度のフッ化物を専門家が歯面に塗布する方法です。
洗口のように自身で応用することはできません。おもに乳歯の虫歯予防や成人では根面虫歯の予防として実施しています。
フッ化物歯面塗布では単に一回実施して効果が得られるものではなく定期的(半年に一回くらいの割合)に継続して実施する必要があります。
歯ブラシの当て方(^u^)
歯垢(プラーク)のつきやすい部分
- 歯と歯の間
- 歯と歯ぐきの境目
- 咬み合わせ
これらの部分の歯みがきをおろそかにすると虫歯や歯周病の原因になります。
歯間清掃
- 歯ブラシを歯と歯の間に入れ込むようにあてる。
- フロス(糸ようじ)の糸を歯と歯の間に入れて、のこぎりを引くように、前後にゆっくり動かして歯垢を取り除きます。
- 歯間ブラシを歯と歯のすき間に入れ、ゆっくり往復運動させて、歯垢をかき出します。
(注意点:歯間にすき間のない場合は無理に歯間ブラシを使わないようにしてください。間の歯ぐきを傷つける恐れがあります。)
歯ぐきの境目の清掃
- バス法
- 歯ブラシを鉛筆の要領で持ち、ブラシの先を歯と歯ぐきの境目に向けて45度の角度に当て2~3歯ずつ左右に往復運動させて、汚れをかき出します。
- スクラッビング法
- 歯ブラシの毛先を歯面に直角に軽く当て前後に細かく振動させながら歯を磨きます。奥歯の咬み合わせの面はかき出すように磨きます。
歯周病のお話
歯石/プラーク(歯垢)が石灰化して硬くなったもの。
- 歯石の形成には、唾液成分の関与とプラーク中細菌の関与があるとされている。
- プラーク(歯垢)に唾液中のカルシウムが沈着し石灰化する。したがって大唾液腺開口部に沈着しやすい。
- 歯肉縁上歯石
- 歯石は歯面ばかりではなく金属冠や義歯にも沈着する。また、咀嚼に関与しない歯や歯ブラシが届きにくいところに形成されやすい。歯石表面はプラークでおおわれている。
- 歯肉縁下歯石
- 縁下歯石と同じく表面はプラークにおおわれている。歯周ポケット内に生息する細菌の絶好の停滞場所となっている・歯肉炎や歯周病と深くかかわっている。歯の動揺を招く。
平成11年度歯科疾患実態調査によると、歯周病の初期症状である歯肉炎は・・・
15~24歳の方ですでに50%の方がかかっており、歯肉炎は15歳から増え続け、45~54歳では45%以上になります。
歯肉炎と歯周炎をあわせた歯周病は、35~45歳で80%、45~55歳では88%の方がかかっているとの報告があります。
歯周病とは
- 歯周病(歯槽膿漏)
- 歯槽膿漏は「静かなる病気」と呼ばれるほど、自覚症状がほとんど感じられない病気で、気づいたときには、歯の土台(歯槽骨)がボロボロになり、重症になっているケースも少なくありません。そうなってしまえばまともに食事すら出来なくなってしまいます。
歯周病を予防するには、早期発見、早期治療がキーとなります。かかりつけの歯科医院に少なくとも一度受診あされることをお勧めいたします。 - 歯槽膿漏はこんなに怖い病気です
- ここで歯槽膿漏について述べてみたいと思います。
歯槽膿漏の言葉の由来は歯ぐきの中で歯の根っこを支えている歯槽骨のあたりから、膿が漏れ出してくることから、一般的にそう呼ばれるようになってきました。現在、歯科医には辺緑性歯周炎または歯周病と呼ばれています。歯槽膿漏とはつまり歯ではなく歯ぐきの病気というわけです。
歯周病の進行
この歯肉溝にプラークがつかないように適切なブラッシングが必要です。健常な歯周ポケットは0.5~2mmです。
定期健診を行いしっかりプラークコントロールをしましょう。
歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起きています。そのことにより歯周ポケットと呼ばれるものができました。この段階では、歯を支える歯槽骨は吸収していません。
ブラッシングにて改善をはかります。歯石の付着があるところには除石を行います。
これがいわゆる歯周炎です。歯周ポケットは、4~5mmほどになり、ポケット内にプラークや歯石がたまり炎症がより強くなります。歯肉の色が赤みを帯びてきます。歯を支える歯槽骨も吸収し始めます。
縁上、縁下歯石の除去をします。(必要があれば麻酔をします。)
炎症が進行して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨の吸収も進行してきます。歯を指で押すと弱干ぐらぐらしてきます。
歯石除去を行います。症状が重いところは歯周外科手術へ移行する場合もあります。
歯のぐらぐらも著しくなり歯肉も全体的に真っ赤もしくは赤紫色になり出血も認められます。
歯を保存できるようであれば歯周外科手術、再生療法を行います。残念ながら抜歯となる場合もあります。
歯周病(歯槽膿漏)治療の流れ
- 歯周ポケットの測定
- レントゲン診断
- 問診(局所的、全体的なご病気)
- かみ合わせのチェック
精密検査の結果をもとにまずは歯の表面のプラークの除石を行います。
同時に歯みがき指導を十分に行います。
精密検査の結果をもとに1回につき3~4歯ずつ歯肉の表面に麻酔をして歯肉の中に隠れている歯石を丁寧にかき取ります。
この治療を炎症が強い部位に行います。
ルートプレーニング終了後に炎症がどの程度改善されているか再び精密検査を行います。
炎症が落ち着いて症状の改善が見られる部位はメンテナンスへ。
炎症がまだ残っていて症状の改善が認められない部位は、歯周外科手術、歯周組織再生療法を行います。
プラークについてのお話(^o^)丿
歯の表面についた白っぽいネバネバです。歯牙細菌苔とも言い、生きた細菌の大集団が苔のようにヘバリついているものです。
つまり、決して単なる食べカスではないのです。このプラークをとり除くのが、歯みがきの最大の目的です。しかし歯みがきと言うと「食べカスをとるもの」と思っていませんか?その結果、食べカスだけとっても、ネバネバと引っついているプラークがとり切れていないため「せっかく毎日、歯をみがいても虫歯や歯周病になっちゃった!」となるのです。写真がプラークを顕微鏡で見たものです。
歯周病とは
砂糖が厚く成長したプラークの表面に接すると、プラーク内のある種の細菌(ミュータンス)が強い酸(ギ酸)を作ります。その酸が歯の表面を脱灰させて、虫歯が進行します。
この写真は、脱灰した歯の写真です。歯面の白く変色したところが脱灰した部分です。
ところが、脱灰された歯面は虫歯になるとはかぎらず、歯を清潔に保つと徐々に唾液中のリンやカルシウムが沈着して元通りの歯面に回復します。
この段階で正しい歯ブラシの方法を身に付けられれば、歯を削る治療は必要ありません。
虫歯になる条件
虫歯は細菌と食物と酸にさらされる時間、さらに抵抗力の組み合わせで起こります。真ん中の赤い部分が大きいほど、虫歯になるリスクが高いといえます。
むし歯になるリスクは、
- むし歯菌の数が多い
- 糖質を多量にとる
- 食事回数が多い
- 歯の質が弱い
と高くなります。
紅茶・コーヒーだけならば問題は起こしませんが、ミルクなどの炭水化物が入れば悪い飲み物となってしまいます。
これらを摂取すると、歯面にくっ付いている歯垢(プラーク)の中ではバイ菌により酸が作られます。